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2025/01/23 11:43 |
感想文、初めての宝塚
というわけで、行って参りました銀河英雄伝説@宝塚。
主観しか含まれていない感想文です。
チケットをとってくれた友人のお陰で、一階前寄り中央席で見られました。ありがとう、もつべきものは良き友よ。
羽背負って階段降りてくるラインハルト様に会えました。この休日に一片の悔いなし!
(でも直視できずにこっそり爆笑してしまいました。それだけでなく、開演から終幕まで、ずーっとにやにやしてました。)

率直に申し上げますと、個人的にヅカ銀英伝は”ものすごく楽しかった。”
というのも、大好きな銀英伝をですよ。天下の宝塚歌劇団が演じてくれる訳ですよ。
シナリオ関連はネタバレなので一番下に回しておきます。
とりあえず、主役はラインハルト様でした。それだけは間違いない。ヅカ銀英伝はラインハルトの話です。


-ヅカ
ヅカは初めて見ましたが、宝塚歌劇団はすごくハイレベルな演劇技能を持った劇団で、ヅカ・メソッドというのでしょうか、同一の表現様式で育成された人達だけに群舞の統一感もすごく、群衆モブさえも光っている。
歌も台詞回しもダンスもうまい! 情緒の表現もわかりやすい。もうね、演じてる人達すごい、と素直に思います。
(こういうのは、あまりテクニック寄りでない舞台を幾つか見ると、よくわかります)

-演出
演出や大道具の使い方巧いです。すごくスムーズに場面転換やダンス・歌が劇として流れていくんですよ。
舞台演出の中でおお!と思ったのは、宇宙戦のシーンを、舞台上にあるスクリーンに3Dを投影して、あたかも艦橋モニタがそこにあるかのように見せて艦隊戦を表現したこと。
原作知らない人でも理解できるし、原作知っている人は、艦橋モニタですね、わかります、という感じです。
舞台演出が洗練されています。道具を作るのではなくて、映像を投影して風景を作り出す、という手法がとても鮮やかに使われています。墓地の風景、昔のミューゼル家とキルヒアイス家の様子、宇宙の星雲など美しゅうございました。

-衣装
衣装凝ってました。何回着替えた。主役ラインハルトは3回以上、衣装換えてます。
ラインハルトに関して特筆すべきは、マント裁き。あの軽やかかつ滑らかなひらひら感を演出するマント、素敵です。そのマントをオーベルシュタインが頬ずりするので、途中どん引きというか、びっくりしました。
話の都合上、貴族たちが沢山出てくるのでドレスや貴族衣装があちこちターン、ジャンプ、ひらひらーっと踊っています。豪華でした。
同盟軍の軍服は、アニメや漫画のように短裾のジャンパーではなく、お尻が下半分まで隠れる丈のピーコート風で、黒の長靴にベレーがきまってました。ヤンかっこよかったよ。ヤンかっこよかったよ。大事なことなので(略)

-シナリオ(ネタバレ自重しませんので反転しておきます)
まず、導入で銀河帝国および自由惑星同盟の成立経緯をダイジェストで教えてくれる上、帝国が貴族の圧政に喘ぎその中でラインハルトが栄達していく、ということを丁寧に教えてくれるので初心者も安心(?)仕様でした。
ところどころフェザーンのルビンスキーおよびドミニクの二人がN○K解説委員のように登場し、政治社会背景ツッコミを入れてくれます。ドミニクさんのスリットから覗く腿に釘付けになります。

舞台の軸は、ラインハルトの栄達の光と影、と表現してもよいのではないでしょうか。
前述のようにヅカ銀英伝は、ラインハルトの物語として描かれます。(そのため、ラインハルトのライバルとして登場するヤンは、助役的な描かれ方しかしません。というか同盟の分量少ない。ヤンのことは後述。)
ともかく、ラインハルトを中心にして、キルヒアイスとの友情成立~ガイエスブルクの悲劇、女の子ヒルダのラインハルトへの憧れと女性社会進出・帝国変革の夢、陰謀渦巻く宮廷の構成員貴族たちと、それに疲れたアンネといった登場人物の心情を軸にして舞台は構成されています。

メインテーマである(と勝手に思っている)、ラインハルトの光と影という部分では、光はもちろんキルヒアイス、そして影をオーベルシュタインが担っています。オベは役割上キルヒアイスと対比させられるため、原作に比べ存在感の濃度が増し、帝国への憎悪を内心で燃え上がらせた参謀(若い)として描かれます。オベがイケメンです。キタロウです。何言ってるか判らないと思うが、舞台見ればいいよ!
オベが陰謀を担い、ラインハルトは帝国内の敵を着々と排除します。政治や戦争は綺麗事だけでは済まないのだ、とラインハルトはキルヒアイスに語ります。キルヒアイスは、それではルドルフと同じだ、と詰ります。
この辺のラインハルトの葛藤は、原作でもそうでしたが、ヅカ編でもクローズアップされて扱われ、最終的にはガイエスブルグのあの状態に至り、姉上も離れて行くラインハルト。
それに打ちひしがれるラインハルトを支えるのは、すごく女の子らしく改変されたヒルダさんでした。

ヒルダは、女の子らしく描かれていました。正直、原作よりよほど納得できる立ち回りというか背景、心情描写でした。
勉学する聡い貴族令嬢ヒルデガルドがパーティで元帥となったラインハルトと知り合い、自身の帝国に対する不満を述べそれを変えるのはラインハルトだ、とこの時点で断定。
その後、手紙のやりとりをしつつ押しかけ秘書に。もちろん、ラインハルトへの慕情も匂わせつつ。
恋する乙女の行動として、そして貴族令嬢っぽい立ち回りだと、納得できました。うん。

その他、帝国の話で気になったこと。
・皇帝が遺言でラインハルトに「帝国を変えるのがお前の宿命(要約)」と言ってました。賢帝になっちゃった。
・双璧の扱いは小さいです。諸提督もモブです。双璧、ビッテン、ケンプ、ワーレン、ルッツが登場します。
・アンスバッハは美形でありました。死んだ後の、死体姿完璧。
・幼少時のアンネ様がかわいい。さりげなく一言も喋らないミューゼル父の熱演に惚れる。
・ヴェストパーレさんらしき人が「赤毛ののっぽさん」って言ってました。小ネタ。
・フレーゲル出演します。紫でおかっぱ。


さて、お待たせしました同盟サイド。
主な登場人物は4名+憂国騎士団です。
ヤン、ユリアン、ジェシカ・エドワーズ、そして我らがトリューニヒト!
同盟サイドはアメリカを思いっきり意識してますね。公民権運動してんの?と感じるようなファッションと雰囲気。
ヤンは艦隊戦の合間にラインハルトの好敵手として登場し、その後、同盟の政治状況の掘り下げとともに、ラップ・ジェシカ・ヤンで三角関係があったんだよね、という話が挿入されます。
ヤンが軍人っぽく描かれていてびっくり。ヤンって軍人っぽくない軍人ってキャラのはずが、ヅカ的にそんなだらしない動き方ありえなーいと言わんばかりに改変され、ヤンは無意味な戦争を嫌う、英雄軍人といった描かれ方です。
びっくりしたのは、ジェシカを襲撃した憂国騎士団をヤンが活躍して追い払ったという…。ありえなーい。とツッコミを入れてしまいましたが、ヅカ銀英伝でのヤンは、あくまで軍人、という点が重視されているということでしょう。
ユリアンが良い狂言回しとなっていました。


えーっと、力尽きたので観想はとりあえずこの辺で。
あ、皆様にひとこと。ヅカ銀英伝、見て損はありません!

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2012/10/07 23:09 | 更新

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